~~めざすのは凛とした美しさ~~
こんにちは!
ピラティススタジオBB南青山オーナーの出井です。
先日、新たなローマ教皇が誕生したという
ニュースがありましたね。
それに先立ち、前教皇が生前に書き残した手紙が
公開され、多くの人の心に静かに響いています。
私もその手紙を読みながら、
胸がじんわりと温かくなりました。
今日は、その一節をご紹介させてください。
『この世に私のものは一つもない 』
この世のすべての愛する子どもたちへ
私は今日、この人生を通り過ぎる者として、
小さな告白を一つ遺したいと思います
毎日、顔を洗い、身だしなみを整え、
鏡の前に立って生きてきました
その姿が「私」だと信じていました
しかし、振り返れば、それはただの
一時的にまとう衣でした
私たちはこの身体のために
時間を使い
お金を使い
愛情と情熱を注ぎます
美しくありたい
老いたくない
病気になりたくない
そして……
死にたくないと願いながら
ですが、結局この身体は
私の願いにかかわらず
太り
病み
老い
そして、静かに私から離れていきます
この世で
本当に「私のもの」と呼べるものは
一つもありません
愛する人も
子どもも
友人も
そしてこの肉体さえも
すべては、雲のように
一時的に留まるだけの存在です
憎い縁も
美しい縁も
すべては私に与えられた
人生の一部でした
だから、避けられないなら
抱きしめてください
誰かがしなければならないことなら
「私が先に」
そう思って取り組んでください
無理やりではなく、喜びの心で
やらなければならないことがあるなら
先延ばしせず
今日、今すぐに行いましょう
あなたの前にいる人に
あなたのすべての心を注いでください
泣けば、解決するでしょうか
怒れば、良くなるでしょうか
争えば、勝てるでしょうか
この世の出来事は、すべて
それぞれの流れに従っています
私たちができるのは
その流れの中で
少しの余白を与えることです
少しの譲り合い
少しの思いやり
少しの控えめさ
それが、誰かにとって
温かな息抜きとなります
そして、その温もりが
世界を再び包み込む力となるのです
今、私は旅立つ準備をしながら
この言葉を遺したいと思います
「本当に、ありがとう」
私の人生に触れてくれた
すべての人々へ
すべての縁へ
そして、この美しい世界へ
「私と縁を結んでくれたすべての
人々に、心から感謝します」
静かに振り返ると、この人生は
感謝に満ちた奇跡のような旅でした
どうか、あなたの人生にも
このような静かな奇跡が訪れますように
心からお祈りしながら
この手紙を終えます
フランシスコ(1936〜2025)
いかがでしたでしょうか。
私たち現代人は、日々の忙しさに追われ、
物事を「損か得か」で判断してしまいがちです。
でも、本当に大切なことは、
その判断の向こう側にある「心の余白」なのかもしれません。
教皇が語るように、
少しの譲り合い、思いやり、控えめさは、
一瞬「損」だと感じることもありますが、
長い人生を豊かにしてくれる「種」のようなもの。
そして私たちピラティスインストラクターにできることも、
お客様が日々の喧騒から少し離れ、
ご自身の“心と身体”に静かに向き合える場所を提供することです。
そうすることで、
「余白」が生まれ、「活力」が戻り、
本来の自分を取り戻すきっかけになると信じています。
一つひとつのご縁に、心から感謝しながら、
今日もスタジオで皆さまをお迎えいたします。
いつもありがとうございます!
出井